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Yesterday Today Tomorrow〜昨日 今日 そして明日へ・・・

直井里予とその仲間たちが日々出会ったもの・ことを綴るブログ

「東海村JCO臨界事故」から12年

1999年の9月30日、
タイ南部のサムイ島の出発空港ロビーで
バンコク行きのフライト待ち中
突然飛び込んできたCNNの「BREAKING NEWS」
映しだされた親しみのある風景の映像。

あれからもうすぐ12年。
何の反省もなく補償も充分にされぬままに
月日が経ち事故は風化されていきー
そして再びおきてしまった福島第一原発事故。

311以後停止中の東海第二原発。
再稼働の賛否をめぐり東海村で開かれている討論会。

日本各地でデモが盛んに行われていますが、
今は静かに耳をすまし、被爆者たちの声を聞き受け止め、
そして現実から目を離さないことから、
と思っています。

*「フォトジャーナリスト樋口健二さんの見た
『JCO臨界事故翌日の東海村』」
場所:東海駅ステーションギャラリー(A室)
時間:10:00~18:00 9/25(日)~10/1(土)まで
(樋口健二氏講演会:10/1(土)10:30~12:30)
詳細はこちら

本帰国のご報告

台風が去り、秋が静かにはじまった京都。
キャンパスを囲む木々たちは長い影を作り
薄黄緑色に染まりはじめました。
鴨川沿いのお店で山越の空に浮かぶ月を見上げながら昨夜もー。
朝晩のちょっぴりひんやりした空気に触れると、
「日本だなあ~」と実感。

バンコクの荷物をようやくまとめ先月末に本帰国しました。
一ヶ月間のタイでの滞在、
引越しに撮影そして文献調査に向かったはずの
チュラロンコン大学ではバスケット。
訛っていた身体を一気に久々に動かしたら、
全身筋肉痛で体がずしっと重くなった。
でも思い切って色々なもの?を手放した後は、
心がふんわりと軽く自由になったようです。

すでに4月から生活の拠点は京都に移していますが、
しばらくの間、京都ータイ&◯◯◯◯を往復しながらビルマ難民の映画制作、そして地元茨城を拠点に原発関連取材の予定です。

『バンコク物語(仮)』の方は、、、
編集作業を少しずつ進めていますが、M夫さんとM子さんが変わらず放ち続ける魅力をもう少し撮り続けていたいと思っています。
異国都会のオアシス「居酒屋M子」。
おいしい家庭料理と楽しいおしゃべりに心身ともに
エネルギーをたっぷり貰ってバンコクを後にしました。

この夏のできごとー出会い再会そして別れ。
たくさん伝えたいことがありますが、また改めて。
とにかく今は長年バンコクでお世話になった皆さん、
そして楽しい思い出をたくさんくれた友人たちに、
コップン・マーク・マーク・ナ・カ!です。

さて、気持ち入れかえこれから再び大学へ
インプット作業の開始です!

「2011年の新しい命」

タイでの豪雨、そして帰国後の台風12号。
「日本に着いたら飲み行くから準備しとって!」、
という意味合いでタイを出発前に友人たちに送った
メールの件名「台風接近注意報」は洒落にもならず。。。

繰り返し襲ってくる自然の猛威や放射性物質の恐怖と不安に
これからも向き合わざるを得ないという現実。
けれど、どんな困難な壁にぶつかっても
支えあって生きていけば「きっと大丈夫!」。

子どもたちがたっぷりと日を浴び土と戯れながら、
心穏やかにそして健やかに生きていけるように。

2011年に必死に生まれてきた子どもたち、
そしてこれから生まれ来る子どもたちのためにも。

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甥っ子、丈くん(Jyo 12days)奈良にて

「現実をみつめる」ということ。

演劇が好きで、劇場によく足を運びますが、
「背水の孤島」は時間がとれればぜひ観に行きたい。

震災・原発の現実を直視 中津留作・演出「背水の孤島」 
(朝日新聞の記事はこちら→ http://t.asahi.com/3uq5

リアリティとは、中津留氏が言うように、感傷的にならずに作家自身が「生きる」ということの矛盾や不条理さと向き合い続けていくこと、そこから生まれるものだと思います。
感動を求めるのではなく、観るものの心を揺さぶりかけるものを。

先日ブログで「京都の送り火騒動」について自戒を込めてメディアや一方的な援助活動を批判しましたが、やっぱり演劇の持つ現実批判力というのはスゴイなあ、と羨ましくなったりもします。(と、最近岡真理教授の世界に惹かれてしまいがちですが。)

ドキュメンタリー制作も大切な部分は多分演劇と一緒。
自分にとっての一番身近なもの(自分自身)と
どこまで正面から向き合うことができるか、が全て。

渡せなかった写真。

来タイ1年目、バンコクのクロントーイスラムでホームステーをしていました。毎晩、おいしいご飯を食べさせて貰い面倒をみて頂いていた、バンコクの母(プラティープさんのお姉さん。写真中央)。すっかり色あせ渡しそびれていた写真。バンコクを離れる前に写真を持ってお礼の挨拶にいこうと思っていた矢先に訃報の連絡を受けました。

いつもちょっと遅くて会えなくて。。。
後悔しないように生きていたい、と思っているのですが、、、。

これからこの写真を持ってお葬式へ。
バンコクでのあたたかい日々に心から感謝しながら。

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『OUR LIFE 2~故郷(仮)』撮影開始。

早速新作のファーストシーンとラストシーンを決定。
それほどいいシーンに出会えて、映画化に向けて始動しました。

これからダラツー君の旅立ちの時まで、
しばらく難民キャンプと近隣の村で撮影続行予定でいます。
彼と一緒にいれる時間、
一瞬一瞬を大切に過ごしていたいと思います。

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(ダラツー君一人ではじまった『OUR LIFE』Part1のDVD鑑賞会、そのうちに人が続々と集まってきました。小さい子どもたちが最後まで観てくれたのにはびっくりでした。皆、ありがとう!)

京都の送り火騒動とマスコミ

大文字部屋、
という部屋が大学の院生室と同階にあって、
よくゼミ後にそこで皆と語り?あいます。
(飲み、の間違いですね、、)
その部屋からは京都の送り火がきれいに見えるらしいのですが、
今年は見れずに残念でした。

しかし、今回の被災地薪の送り火騒動は残念でした。
ちょっと前はニセ医師騒動がありましたが、
「持ち上げといて、叩く」
そんな行為が大好きなマスコミの体質は相変わらずです。
対立を作り上げて社会問題を大きくさせて、、。
もちろん、問題は当事者たちにも多いにあるとは思いますが、
事実をしっかり確認してから冷静に報道しても遅くはないはず。

自戒を込めてですが、
「メディアがどう戦争に関わってきたのか」、
この時期もう一度考える必要があるかもしれません。

被災地での援助活動が何か素晴らしいもののように扱い、
美しい絵と物語で主人公を英雄扱いにしてしまう。
被災地を美しく撮った所で、その土地の人たちはどう思うのか。

本来、援助活動とは黒子に徹して行うものだったはず。
困った人を国籍を問わず助けることは当たり前の行為だし、
問題なのは、一方的な思いで外部のものがその土地に勝手に入り込み、地元の人たちの思いを大切に思いやらずに、
彼らの上にたって自分勝手に活動をしてしまうこと。
頼まれたことをすればいいはずなのですが。。

と、このブログではできるだけ日常のささやかな出来事をかき、
心があたたまるようなものにしようと、
riporipo代表の相棒ripoやパートナーたちとはじめたもの。

ですが、皆仕事が忙しくて、お正月以来、、、笑。
そろそろよろしくですー!

手放せないもの。

再びバンコクに戻っています。
『バンコク物語(仮)』の撮影の合間に、本帰国準備中。
いよいよ私のバンコク生活もカウントダウン。
来タイ当初は3年計画でした。
まさかこんなに長い滞在になるとは、、、。
様々な出会いと素敵な縁をもらたしてくれるタイ。
本当に不思議な国です。

友人に手伝って貰いながらアパートの荷物整理。
どこに行くのにも便利で緑に囲まれた居心地のよいアパートでした。管理人さんやスタッフの方々たちのやさしさに甘え、ふと気づくと10年間も同じ部屋に。トランク一つで来たはずなのに、今は、、、。

30代前半、撮影や編集の合間に読んでいた本やDVDが段ボール10箱分。全部持ち帰りたいのですが、京都の狭い部屋には置く場所がないので、古典や頂いたもの、思い入れのある本以外は古本屋さんやタイで研究中の大学のゼミ仲間のもとへ。

本やDVDは又手に入れられるから手放せるけど、手紙や励ましのカードたちはやっぱり手放せず、すべて持ち帰ることに。
引き出しの奥から出てきた色あせた手紙たち。。。
自筆の手紙を読むとグワぐわーっと感謝の気持ちが込みあがってくるから、引越しもたまにはいいのかもしれません。

そして部屋に置いてあるもので一番の高級品はプレゼントして貰った圧力炊飯器(笑)。大切なものなので大切な人のもとへ預けますー。

『バンコク物語(仮)』の撮影があるので、又ちょこちょこバンコクには戻ると思いますが、今月末に一旦バンコクライフにピリオドをうちます。

今週末からは、再び難民キャンプ入り。
先週、無事主人公のダラツー君と再会できました。
Part1では、一方的な援助や教育制度、遠隔地ナショナリズムなどを遠まわ~しに批判した作品に仕上げましたが、今回は政治的なことには直接触れずに新たな手法で試みます。
17歳の少年ダラツー君の今の生きざま。
しっかりとカメラに、、、と思っています。

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(バンコクのクロントイスラムにて。
主人公Sさんの新刊表紙用の写真を撮影中)

~お盆(故郷)~

同窓会2_convert_20110813120341(2006.8.12@バインリーフ)

地元ひたちなか市立市毛小学校6-4の先生と皆。
不思議なくらい仲のよいクラスで、
楽しい思い出ばかりが残っています。
卒業してバラバラになってもいつも会って飲んで。。。
心から信頼できる恩師と友たちです。
遠くにいてもいつも支えてもらっています。

今は亡き2人の幼なじみたち。
2006年のお盆には、元気に笑って一緒に飲んでいました。
彼女たちの不在に寂しい日々がしばらく続きました。
でも、今もずっと記憶の中で生き続けています。
今夜も一緒に飲もうね!

*大洗のパインリーフという中華料理屋さん。震災や原発の影響で茨城の飲食店や農家、漁業を営む人たちも未だ大変な状況におかれていますが、小学1年の時から子ども会もクラスも一緒だった幼馴染のひーちゃんは、今日も笑顔でお店で働いています!ご主人(店長)の料理は絶品です。近くにお寄りの際は、ぜひ!

エイズ孤児たちのもとへ

3月11日。
荷物を抱え電車で成田へ移動中でした。
以前住んでいた小田急線の某駅を出た瞬間。。。

それから5ヶ月。
やっとのことで届けられた地元ひたちなか市の近所の方々から預かっていた寄付金と書籍版『アンナの道』の収益の一部。

「昨日 今日 そして明日へ・・・」のひたちなか市での上映会で1000人を超える方々が購入してくださったチケット。その売上金の一部は、映画の舞台であるチュン郡の国立病院へ寄付しましたが、今回はタイの財団法人「農業および職業訓練センター」に寄付し、パヤオ県のエイズ孤児たちのために使って頂くことになりました。

アンナさんの娘、ジップも実の父親をエイズで亡くした一人です。
母親といつも一緒にチュン病院のデイケアーセンターに通っていたジップ。幼き頃から、将来は
「看護師になってお母さんのような人を助けたい」
と語っていました。
今年、看護系の大学に無事入学。
その夢への第一歩を踏み出しました。
これから4年間。バンコクで勉学に励む日々が続きます。

寄付金の一部は、ジップの学費に当てて頂くことになりました。
ひたちなか市のみなさん、本を購入してくださった皆さん、ありがとうございました。

ジップの学費のために、朝4時から働きづめのアンナとポム。
アンナにHIV薬の抗体ができてしまい、CD4が100前後までに下がってしまいました。今も寝込みながらの生活を送っています。それでも、3.11以降毎日のように電話をくれたアンナ。アンナさんのお母さんは2ヶ月間、毎日お寺に足を運んでくれていたそうです。

「支えあう心」というものを教えてくる学び場パヤオ。
いつまで経っても変わらぬ第二の故郷です。

『赤紙と徴兵』

8月1日に出国し、バンコク→北タイ・パヤオを周り、タイ・ビルマ国境の難民キャンプに撮影に入り。取材に入り2週間たち、やっと時間の感覚が戻ってきました。

色々な物語の展開があり早速各企画書を書きなおしています。
まずはビルマ難民キャンプの映画制作に集中することに。

「なぜビルマ難民のドキュメンタリー映画なんですか?」
メソトで出会う日本人の方からよく聞かれる質問。

『森の回廊』(吉田敏浩)
アジアプレスで、映画や本など12年前からアドバイスを頂いている吉田さん。文章を書く楽しさを教えてくれ、そして私を少数民族取材へと導いてくださった方です。
一つのことに集中しじっくりと取材を続けることの大切さ。
そんなことを、吉田さんの本を読むといつも感じます。

『赤紙と徴兵-105歳最後の兵事係の証言から』
そして、待望の吉田さんの新刊が出ました!
8/12(金)出版イベントがあります。
直前で申し訳ありませんが、吉田さんの話が聞ける貴重な機会です。ぜひ!

「タイからの贈り物2」~相馬市へ・・・

タイからの贈り物。前回は絵を送って頂きましたが、
今度は手作りのダルマの絵が描かれたT-シャツが届きました。
友人の小学校の先生や絵を描いてくれた生徒たちの両親の方々が
タイでT-シャツを販売し、その売上金を義援金として送ってくれることに。

先月末に相馬市の小学校へ、『相馬救援隊』代表の相馬行胤氏が届けてくれました。タイ~相馬救援隊~相馬市へ。
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(相馬市の小学校の先生 相馬行胤氏撮影)

今日から相馬・南相馬市で開催される「相馬野馬追」
この野馬追で総大将として出陣する、ミッチー(行胤)氏。
来週、フジTVの朝番組「とくダネ」で
これまでの復興支援活動なども紹介されるそうです。

福島の皆さんが安心して日常を過ごせる日が
一日も早く来ますように・・・。

*追記:「相馬野馬追」朝日新聞記事はこちら

「京都の夏」

前期の授業も残す所あと一週間。
4月からTVもネットも閉じ、本や論文などのIN-PUTを続けた日々。
ビールも飲まずにひたすら・・・(と、ここまで書くと平気で嘘がつける自分が怖くなりますが、笑)。
ゼミでのプレゼンもなんとか先日無事終え一段落。
で早速、打ち上げでビア・ガーデンやら◯◯やら。

京都で生活を送りはじめて4ヶ月。
色々な出会いがあって、学びがありました。
このひと時が「愛しさ」にかわるのはきっと時間の問題・・・。
大切な思い出にかわる前に、やっぱりー
撮っておきたくなってきてしまった『京都◯◯物語』。

今、制作継続中のドキュメンタリー映画が3本。
そして、この3本の制作終了後にも撮りたい場所・ひとが
いるので、更にもう1本はきつそうですが。。

しかしー、山と川に囲まれた盆地京都の夏は、、。
川遊びへの誘惑に耐えて耐えての通学路。
自転車を漕ぎながら
夏の匂いや音に触れると蘇るそれぞれの夏。

昨夏は、本の執筆と映画編集とひたすらOUT-PUT作業。
朝からギラギラ眩しい西新宿の高層ビル。
真夜中の静まり返った大久保の路地裏。
よく歩いたあの道この道。

今年の夏はこれからタイへ発ちます。
3.11以降全く時間がとれず、バンコクの部屋もそのまま、、、。
授業が終わり次第、初の関西空港へ。
来週明けから『バンコク物語(仮)』の撮影再開。
そして『OUR LIFE2(仮)』の撮影開始予定です。

夏の終りにまた京都で!

~虹の皆さんへ~

桜美林大学、学生団体 「虹~学生×教育×グローカル協力」の皆さん、
昨夜の上映会、本当にありがとう!!
すばらしいチームワークに感動の夜でした。

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盛り上がったまま上映会場をあとにし、大久保へ移動。
気がつくと外が明るくなっていました。これから又移動です。
また、改めて感想などアップしたいと思います。
とりいそぎ、お礼まで!

なおいりよ

上映会と本紹介

5月25日京大からはじまった『OUR LIFE~僕らの難民キャンプの日々』自主上映会。上映後のQ&A、その後の懇親会に参加してくださった皆さま、ありがとうございました!色々な意見や感想を頂き勉強になりました。懇親会のひと時、上映会の楽しみの一つです。

しかし、4月に入ってから喉の調子があまりよくない日々。特に木曜の朝は、、、。一限からの水曜日。午後はゼミが2つ。先週は7時間続けてのゼミでのディスカッション。そしてゼミ後にマタマタ。一杯のつもりがついつい話しが盛り上がり、気づくと、、、。とうとう翌朝完全に声が出ない状態に。飲み過ぎやカラオケなどでそう簡単に声が潰れることはなく、今回は風邪が一応原因なのですが、誰にも信じてもらえず・・・(笑)。

失ってはじめて感じる「声」の存在。
「目は、音は、、、」
と、普段は忘れてしまいがちなのだけど、改めて感じるバリアフリーの大切さ。そして、「老い」をどう生きるかということ。

今まだカスレ声状態ですが、今週は東京でトークがあります。
お時間があれば、会を盛り上げにぜひお越しください。
詳細は映画HP上の上映予定をご覧ください。

6/17(金)「1th難民シネマ」東京 桜美林大学 18:00~(Q&A)
6/25(土)「第2回 難民映画会」豊田市 (あすて) 14:00~

第一回開催の「難民シネマ」J-FUNユースという青山学院、桜美林、明治、関西学院大などの大学生の皆さんたちによる企画。桜美林大学では、学生団体 虹~学生×教育×グローカル協力が映画上映企画・運営をしてくれています。自主上映会企画というのは、結構時間がかかる作業なのですが、大学生たちの運営力はしっかりとしていて、HPやチラシなどもしっかりと作っています。各地で難民関連映画が5本上映されます。ぜひ応援してください!豊田市での上映会の方は(財)あすてによる企画。代表の方がチラシを片手に京大上映会までわざわざ来て下さいました。豊田市周辺にお住まいの方もぜひ!

*最近頂いた新刊の紹介です。
『ミャンマー概説』(めこん)→Amazonはこちら
アジアプレスの吉田敏浩さん、京大での主指導教員の速水洋子教授、研究員の久保忠行さん、そして映画の字幕制作や大学受験時にもお世話になった池田一人さん(現・東京外語大非常勤講師)など、ビルマ研究者共著の待望の一冊です!

『図書館は、国境をこえる~国際協力NGO30年の軌跡』(教育史料出版会)→Amazonはこちら
シャンティ国際ボランティア会(SVA)スタッフの皆さんの図書館活動への想いが伝わってくる本です。ぜひ!

*新刊ではないのですが、3.11を考えるのにもお薦めの一冊です。
『噴火のこだま~ピナトゥボ・アエタの被災と新生をめぐる文化・開発・NGO』(九州大学出版会)→Amazonはこちら
筆者は京大での副指導教員になって頂いている清水展教授。一限目の授業なので遅刻多発ですが、世界が広がる学びの時間。東日本大震災の対策へと繋がるフィリピンのピナトゥボ山噴火後の研究をまとめられた本です。(朝日新聞での紹介記事はこちら

東北被災地の「今」

3月11日からもうすぐ3ヶ月。
5月下旬から一週間ほど東北被災地へ。
岩手県(釜石市・大槌町・陸前高田市)
宮城県(気仙沼市・石巻市・名取市)

以前、ローカル鉄道で旅した地もあり、
その変わり果てた姿に愕然とした。
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短期間だったので、取材というよりは取材のためのリサーチという感じだったが、多くの方々に話しを聞くことができた。
静まりかえった被災地。避難所以外に、所々自衛隊関係者やボランティアの方々などの人影が所々に見えるだけ。復興が進んでいる地と手がつけられていない状態の地との差が大きい。行方不明者の方々がまだ大勢いるという現実。今この地に津波が再び襲ったら、、、と想像すると怖くなり海岸沿いを足早に走りさった。
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釜石駅と避難所間を結ぶローカルバス。普段は一日3回のみの往復だが、今は10回に。運転手たちは休日返上で働き詰めだそうだ。バスの乗車は現在無料。そのバスに図々しく私ものせてもらって駅と避難所を往復しながら乗客の方たちに話しを聞き、その後地元の方に車で町内を色々案内してもらった。

日常の何気ない会話が聞こえてくるのは、病院の待合室や喫茶店。避難所からちょっと離れた場所でのプライベートタイム。気を許しあった仲間たちと励まし合ったり悩みを相談しあったり。「あのとき、あの場所で、、、」と3ヶ月前のことを振り返る。自分たちが「今」ここで生き続けていることの意味をお互い確かめあうように。
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タイの中学1年生たちから預かっていた絵(ポストカード)は、以前ブログでも紹介したボランティア団体「相馬救援隊」に協力して頂き、福島県の相馬市・南相馬市の小学生のもとへ届けることになりました。小学校時代に剣道の試合や合宿などでよく旅し思い出がたくさん詰まった隣県。普段なら「スーパーひたち」一本で茨城から直行できる相馬市ですが、常磐線(久之浜~亘理駅間)が不通のため、仙台駅経由で電車とバスを乗り継ぎ、ぐる~り。近くて遠い地、福島。今回は時間がなくてちゃんと取材ができませんでしたが、新幹線や車の窓越しに見えた民家には未だブルーシートがかけられていて、地震発生直後の東京でのできごとがフラッシュバックした。

高速バスが常磐道を走りだしたのは、それから一週間後のことだった。東京駅発ー原子力機構前行きの茨城交通のバス乗り場には、朝早くから長い行列ができていた。東京で身動きできずに、立ち往生していた人たちも多かったと思う。東京駅を出発して2時間後、ひたちなか市に近づき車窓からブルーシートがかけられた民家が見え始めると、携帯電話やスマートフォンで写真をとりながら涙ぐんでいた。
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震災発生直後の一週間、とにかく原発・放射能関連の情報を集めまくっていた。10日程ほどたち、少しずつ日立の関係者たちからの情報も入りはじめて混乱状態は収まったけれど、今度は一気に失望状態へ。

こういう状況の中だからこそ、「これから」のことを考え真面目に勉強をー、と気合いを入れたものの、2ヶ月経過で集中力が切れはじめフラフラ病が発生しはじめた。東北に行く前にヨッタ東京滞在でもマタマタ。。。

5月下旬、制作中の『バンコク物語(仮)』の主人公Sさんが、一週間程来日。タイへ戻る時間がとれず、今ごろ完成予定だった映画制作も大分遅れてしまい、Sさんに申し訳ないと思っていた矢先。半年ぶりの再会。嬉しかった。東京での撮影を予定していましたが、強靭な体力の持ち主80歳のSさん。私一人では撮影がついていかず、バンコク同様東京でもチームを組んでの撮影となりました。ご協力してくださった皆さん、ありがとうございました。ちなみに日本を夜中に発ち、タイに早朝着いたSさん。その日の午後には水泳教室の指導へと向かったそうです。

「弱者」とひとくくりにされてしまいがちな高齢者の方々。ですが、被災地でもしっかりと自分の足で歩こうとする姿に出会い心をうたれました。と同時に、何もすることがなくグッタリとした表情をしている方たちにも出会い、色々と考えさせられました。今月下旬、再び岩手、そして福島へと向かう予定です。

*「相馬救援隊」の記事はこちら

「言葉・記憶・身体」

日曜の京都。
今日は朝から雨。
雨の京都は何か風情があるような~。
雨が止むまで、いきつけの喫茶店。
昨日の「日本中東学会一般公開イベント」のことをおもう。

シンポジウム「抵抗の文学~世界文学の中のパレスチナ」の前に、“国境なき朗読者”約10名の方々による90分間の朗読
『The Message From Gaza~ガザ、希望のメッセージ』。
脚本上の言葉が、出演者たちの身体を通してリアル感を出し、
会場全体を包みながら伝わってくるような、そんなすばらしい、
しかしリアルすぎて痛く、その場から立ち去りたくなってしまうような上演だった。

脚本は、現代アラブ文学の研究者、岡真理教授。
「今、そこでおきている事実を伝えるのがジャーナリズム。無数にある情報。しかし、そこから何も真実が伝えられていないのではないか?いかに現実をリアルに伝えていけるのか、私は文学(フィクション・小説)という方法によって、真実を描けるのではないかと思っています」

岡先生の言葉に、「現実をリアルに表現するとは一体何なのか」
深く考えさせられた。朗読、演劇、小説、脚本、詩、、、。
映画に限らず、表現方法は無数にあることも。

まだまだ色々話しを聞きたくて、シンポジウムの後、控え室まで図々しくついて行き、鵜飼先生や細見先生、そして現代企画室の太田昌国編集者に色々個人的にお話を聞いた。
「言葉、記憶、身体」について。

ちょうど今、8・9月に予定しているフィールドワークにむけての研究助成金申請用の企画書を書いている。
書いては消して、書いては消して、、、。
先生やゼミの先輩たちに何度も原稿を見て貰いながら。
締切り日ギリギリまで書きなおしの作業。

ドキュメンタリー映画制作で一番きついのは、
このはじめの部分と最後の産み時。
太田さんに参考になる本を紹介して貰い、アドバイスを頂いた。

ドキュメンタリー映画制作には企画書など必要ないのかも知れない。
前作『OUR LIFE~僕らの難民キャンプの日々』の企画書を見直しながら、全く違う作品に仕上がったことを振り返るとそう思う。

しかし、先行文献研究をしっかりしておかないと、
現場で壊せる自分の「思想」も出てこない。
放射能じゃないけれど、今「私」が直面しているもの(見えているもの)は、現実の一部分にすぎない。

前作の制作中、日誌(書簡)↓をずっと書いていたのだけれど、
企画書制作時を思い出して、なつかしくなった。
バンコクのアパートの暑い一室で、ビールを飲みながらムンムンと。
京都もこれからムンムンしてきそうな雰囲気。
「ガリガリ君」をカジりながらの日々がもうすぐやってきそうです。

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「カレン人難民取材日誌(書簡)」
1.書簡1号 (2008年1月24日 バンコク)
・「企画書下書き作成」
カレン難民キャンプ取材の企画書の下書きを書く。
難民キャンプにはじめて入ったのは、今から7年前のことだった。
2001年7月。メンタイ君に初めて出会った時から、彼を主人公としたドキュメンタリーを作りたいとずっと思っていた。しかし、その思いは思いのまま胸に秘めたまま、ずっと行動に移せずにいた。今回企画を書き始めたのは、あるHPを開いたことがきっかけだった。そのHPを読みながら、「知りたい。伝えたい。そして繋がっていたい。」という表現への欲求が蘇ってきた。今回の難民キャンプの取材を通して、キャンプ内で暮らす難民の子どもたちにとっての「幸せと哀しみ」とは一体何なのか、そして「文化と民族のアイディンティティー」について考えていければ・・・と思う。

2.書簡2号(1月25日 バンコク)
・「民族を読む(徐京植著)を読む」
今からちょうど7年前、はじめてカレン族の取材に入る前に読んだ本を改めて読み返す。
著者は在日朝鮮人の徐京植。著書「民族を読む」の中で彼は、「韓国社会が第三世界的な要素、被害者としての要素をもちながらも、それを内在化させながら、しかし他者に対してはいわば抑圧者として亜帝国主義として存在していることに対してこれからどう立ち向かっていかなければならないか」、という難しい課題を提示している。

カレン難民キャンプ取材の企画書を書きながら、彼の言葉を反芻する。
「在日朝鮮人は故郷の土地から引き離された人々であると同時に、新しい土地に結びつくことも出来ない民衆である。日本に強制的あるいは半ば強制的につれてこられたという歴史的経緯のもと、はじめから土から引き離された人々である。だからその引き裂かれた土地の記憶というもの、土地から引き離されてあるという欠落感や剥奪感の共有が、彼らの集団性を保障する最後の根拠となるかもしれない。その土地に生まれなくても、その土地に住んでいなくても、その土地に骨をうずめなくても、その土地の言葉を必ずしもしゃべれなくても、しかしある人々との運命の共通性をもつということ、そして共有される死と生のイメージをもつことが、祖国を持つということである。祖国とは人間の生き方の態度のことなのだ」

そして次に彼は、「では共通性をもてない人たちは、どうなるのか」という問題を提示する。欧州の帝国主義によって民族文化を奪われ世界にばらまかれた人々たちは、どう生きていけばいいのか。社会的、歴史的な関係を完全に粉砕されてしまった人たちは、どうしたら自立的な共同体の成員になることができるのか。

欧米諸国の帝国主義的な行動が繰り返されている、今この瞬間も。では、日本人として生きている私の「立場」は・・・。自覚しなくてはならないことなのだが、まだしっかりとその自分の「立場」と向き合うことが出来ずにいる。今、私がタイでの生活を送れているのは、帰ろうと思えば帰れる場所があるからだ。故郷には、帰りを待っていてくれる人たちがいる。会いたいと思えば、会いにいける環境に今自分は身をおけている。そんな思いや環境が異国の地での生活を支えてくれている。

「この世の中でおきている権威主義的で抑圧的な収奪をどうすれば阻止出来るのか? その体制はどうして作り上げられてしまったのか? 今まで何が足りなかったのか? 国家への回収を拒む機能はどこにあるのか?」 今はまだ暗中模索状態だが映画製作を通して考えていきたい。

『The Message from Gaza~ガザ、希望のメッセージ~』

緑に囲まれた京大の学食。
焼き魚にほうれん草の和え物&大好きな卵かけご飯をぐいっと~。

今日はこれから「日本中東学会年次大会公開イベント」へ。
ある特定の地域をじっくり長期間、調査・取材つづける大切さ。
それは、一度その地に踏み入れた者の責任でもあると思います。
そんな研究者の方々の姿勢から色々学んできたいと思います。

5月に入り、バタバタ度が高くなり、告知そびれていましたが、
今、京大近辺にいらっしゃる方飛び込んで~!
以下転送メールを添付します。
イベントの感想など、また改めてブログにアップします。


開催日時:2011年5月21日(土)、13:30~17:00(13時開場)
会場:吉田南キャンパス人間・環境学研究科棟地下講義室(http://www.h.kyoto-u.ac.jp/access/
主催:日本中東学会、共催:京都大学大学院人間・環境学研究科岡真理研究室
◆事前申込不要、参加無料◆

プログラム:
第I部:朗読劇「The Message from Gaza~ガザ、希望のメッセージ~」(上演時間90分)
脚本・演出:岡 真理、出演:国境なき朗読者たち
内容:ガザから外の世界に向けて発せられた手紙という形で書かれた3つのテクスト(ガッサーン・カナファーニー原作の短編「ガザからの手紙」(1956)、レイチェル・コリーのメール(2003)、サイード・アブデルワーヘド教授の「ガザ通信」(2009))等をコラージュしたもの。

第II部:シンポジウム「抵抗の文学~世界文学の中のパレスチナ~」
パネリスト:
鵜飼 哲(一橋大学、フランス文学)
太田昌国(編集者、民族問題)
岡 真理(京都大学、現代アラブ文学)
細見和之(大阪府立大学、詩人・ドイツ思想)
司会:山本 薫(東京外国語大学)

問い合わせ先:
日本中東学会第27回年次大会実行委員会事務局
E-mail:james2011@asafas.kyoto-u.ac.jp

「タイからのメッセージ」

3月11日以降、頻繁に連絡をくれるタイ人の友人たち。
2004年のスマトラ沖地震津波の時も、
安否の確認電話をすぐに入れてくれた彼ら。

今日、タイ人の親友が勤める学校の生徒たちから絵が届きました。
なんだか固まっていた心がふと溶け出すような、
そんな感じがしました。

Panyaprateep schoolの皆さん、ほんとうに心からありがとう。
皆さんのあたたかな心、被災者の方の元へしっかり届けますね!

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「再スタート」

「今タイですか日本ですか?」
と最近よく連絡を頂きますが、
バタバタしていてご報告が遅くなりすみません。

12年間に亘るバンコク生活に終止符をうち、拠点を日本へ移しました。今春から京大の博士課程3年次に編入し、『OUR LIFE2~故郷(仮)』の制作にとりかかっています。

アジア・アフリカ地域研究の最先端を走る先生方、研究に打ち込む院生や研究員の皆さん、中国やビルマなどアジア各国、そしてオーストラリアなどからの留学生の皆さんたちから色々教えて頂きながらの日々です。大学では週末も、学会やらワークショップなどが頻繁に行われていて、一週間があっという間に過ぎていきます。

他学部の授業も聴講可能なので、医学部の薬害や被爆医療に関する講座なども受講しようと思っていたのですが―、、、。原発事故に関してディスカッションをいくら重ねた所で、やりきれなさが収まるわけではなく、、、。鴨川沿いの自転車通学路中寄り道ばかりで遅刻多発。院生室の机上も本棚も空のまま。魅力的な「場所・ひと・モノ」が溢れる誘惑多し古都、京都。これから気合いを入れなおして再スタートしたいと思います。

5月下旬、主指導教員の速水洋子教授やゼミの皆さん、「映像なんでも観る会」の皆さんのお力添えで『OUR LIFE~僕らの難民キャンプの日々』を大学で上映して頂くことになりました(詳細はこちら)。コメンテーターをつとめてくださるのは、長年ビルマ難民問題を調査している久保忠行さん(日本学術振興会特別研究員)。偶然、今年から京大で一緒のゼミをとることになり心強いです(久保さんのブログはこちら)。京都在住の皆さん、お時間あれば鴨川沿いの京都大学稲盛財団記念館へぜひ。

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プロフィール

chestpass

Author:chestpass
直井里予(なおいりよ)
1970年生まれ。博士(地域研究)/映像作家。京都大学東南アジア研究所機関研究員(2015年4月〜)。龍谷大学非常勤講師(2016年4月〜)。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士後期課程修了。1998年からアジアプレスに参加し、ドキュメンタリー映画『昨日 今日 そして明日へ 』(2005)や『OUR LIFE』(2010)などを制作。2011年から京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科に編入学し、『昨日 今日 そして明日へ2(第一部 アンナの道 ・完全版、第二部 いのちを紡ぐ) 』(2013)を製作。現在、ビルマ難民映画『OUR LIFE 2~夢の終わり(仮)』と『バンコク物語(仮)』を制作中。書籍に『アンナの道~HIVとともにタイに生きる』(岩波書店)がある。
Contact: info@riporipo.com

→公式ホームページ

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